目標体重の計算方法を紹介!BMIや美容体重からダイエット目標を決めてはいけない理由を専門家が解説

目標体重の計算方法

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箱崎かおり かおり

理系美容家・一般社団法人美容科学ラボ 代表理事

経歴 化学専攻のリケジョという背景から、「科学的根拠のある正しい美容知識」の普及活動に従事。

研究会や学会などで取得した知見を美容業従事者、消費者へわかりやすく情報公開し、美容の情報リテラシー向上に努める。

美容セミナー講師や記事監修、化粧品開発およびPRなどの企業支援を行う。

科学的観点から消費者に心理的・時間的負担を軽減した「お金と時間をかけない美容法」を提案。

体重計に乗って、予想以上の数字に愕然。「ダイエットをしよう!」と決意を固めた経験のある方は多いのではないでしょうか。

何を隠そう筆者自身その一人で、ある失敗をしてしまったことがあります。それは、「夏までにマイナス◯kg!」と“体重で目標を決めること”です。

一見、当然のような目標設定方法ですが、実は大きな落とし穴が。本記事では、ダイエットに失敗しないための目標体重の設定方法をお伝えしていきます。

 目標体重は体脂肪率から計算しよう!

ダイエットをする理由は人それぞれですが、大前提は「健康的であること」です。

どれだけ細身であったとしても、健康を犠牲にして手に入れた体型ではお肌や髪がボロボロになり、結果的に全体的な美観が損なわれてしまいます。

健康的にダイエットをするために決めるべきは「目標体脂肪率」。自分が目指す体型に合わせた体脂肪率を設定することが大切です。

女性の標準体脂肪率は17.5~25.0%。20%以下では、女性らしい体型を作り、肌を美しく保つための女性ホルモン「エストロゲン」の分泌量が低下すると言われています。

細身な筋肉質体型を目指すのであれば20~22%。男女問わずに好まれる丸みのある女性的な体型を目指すのであれば23~25%で設定しましょう。

目標体脂肪率が決まれば、目標体重は後述の計算方法で導くことができます。

BMIから目標体重を決めてはいけない理由

BMIと判定基準について

目標体重の目安に使われがちなのは「BMI」。

Body Mass Indexの略で、[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出される値です。

BMIの基準は日本肥満学会により、下記のように定められています。

BMI値 体系
18.5未満 低体重(やせ)
18.5以上25未満 普通体重
25以上 肥満

ところで、計算方法をよく見ると体脂肪率が全く考慮されていないことがわかります。

それもそのはず。上記の基準はBMIと疾病合併率(様々な病気を併せ持つ割合)の相関から、統計的に導き出されているからです。

つまり、BMIが標準範囲内でも個人の筋肉量や内臓脂肪量によっては健康リスクが異なることが予測できます。

また肥満の判定基準は国によって異なり、アジア人では同じ BMI でも脂肪量が多いことが報告されています。

お相撲さんは体重こそ重いものの筋肉量が非常に多く、「肥満」と言われることはありませんよね。

BMIを使用する時には、計算によって導き出された体重が標準体重に入っているかを確認するために活用しましょう。

標準体重・美容体重・モデル体重から目標を設定してはいけない理由

標準体重、美容体重、モデル体重といった言葉を聞いたことのある方もいるのではないでしょうか。

身長を入力すると自動で計算してくれるサイトもいくつかあります。

しかし、この計算方法は下記のようなBMI数値から計算されているため、結局はBMIで目標体重を決めてしまっていることになるのです。

項目 BMI
標準体重 22
美容体重 20
モデル体重 18

 体脂肪率から決める!目標体重の計算方法

それでは、正しい目標体重を計算してみましょう。手順は以下の通り。

  1. 全体重(A)と体脂肪率(B)を測る
  2. 目標体脂肪率(C)を決める
  3. 体脂肪量(D)を計算
  4. 除脂肪量(E)を計算
  5. 目標除脂肪率(F)を計算
  6. 目標体重(G)を計算
  7. 目標減量(H)を計算

少し難しいですが、(例)を見ながらご自身の目標体重を計算してみてください。

①全体重(A)と体脂肪率(B)を測る

まずは、体脂肪率も測れる体重計で自分の数値を把握しておきます。

例)A:全体重  60kg
B:体脂肪率 25%

②目標体脂肪率(C)を決める

なりたい体型に合わせて体脂肪率を決めます。

例)C:目標体脂肪率 20%

③体脂肪量(D)を計算

自分の体脂肪の重さを計算します。実際に減らしたいのは、この重さです。

体脂肪量(D) = 体重(A) × 体脂肪率(B) ÷100
例)D:体脂肪量 60×25 ÷ 100=15 kg

④除脂肪量(E)を計算

除脂肪量とは、骨や筋肉、水分、内臓等、体脂肪以外の重さです。健康を維持するためには減らしてはいけない重さです。

除脂肪量(E) = 全体重(A) – 体脂肪量(C)
例)E:除脂肪量 60-15 =45 kg

⑤目標除脂肪率(F)を計算

目標体脂肪率と合わせると100%になる数値です。

目標除脂肪率(F) = 100 – 目標体脂肪率(E)
例)F:目標除脂肪率 100 – 20 = 80%

⑥目標体重(G)を計算

除脂肪量と目標除脂肪率が決まると、目標体重が逆算できます。

目標体重(G) = 除脂肪量(E) ÷ 目標除脂肪率(F) × 100
例)G:目標体重 45 ÷ 80 × 100 = 56.2kg

⑦目標減量(H)を計算

現体重と目標体重の差です。

目標減量(H) = 全体重(A) – 目標体重(G)
例)G:目標減量 60 – 56.2 = 3.8kg

ここまで計算をして、初めて「マイナス◯kg頑張るぞ!」と言えるのです。

 BMIから目標体重を決めた失敗例を見てみよう

ここまで、BMIから体重を決めては行けない理由と目標体重の計算方法をご説明してきました。

では、実際に体重から目標を決めるとどうなってしまうのでしょうか。

同じく、160cm 60kgの人を例に確かめてみます。この人の現BMIは23.4。

BMI標準範囲の最小値18.5を目標にした場合、目標体重は18.5 × 1.6× 1.6 = 47.4 kgと計算することが出来ます。

しかし、元の除脂肪量(E)”45kg”を落とさずにダイエットを行おうとすると、

F’:目標除脂肪率 45÷ 47.4 ×100 = 95%
C’:目標体脂肪率 100 – 95= 5%

となり、一流のアスリートレベルである5%を目指してしまっていることになるのです。

これには相当の運動量と食事制限が必要であり、ダイエットどころの話ではありませんよね。

つまり、気づかないうちに達成し得ない目標をたててしまっているのです。

これでは挫折をしてストレスが溜まる一方。ドカ喰いしてリバウンドしてしまっても仕方ありません。

正しい目標体重でより魅力な人になろう!

目標体重を計算で決めると健康的にダイエットが出来るだけでなく、根拠に基づいた数値となるため目標がより具体的となり、モチベーションアップに繋がります。

実感しやすい小さな目標を積み重ねていくのがおすすめです。

努力が成果に繋がると、成功体験が積み重なることによって体型に限らず自信が湧き、ますます魅力的な人になるでしょう。

余談ですが、筆者はなりたい体型から目標体脂肪率を決めるようになってから、体重が気にならなくなりました。

除脂肪量を増やすトレーニングすると、ダイエットに成功しても体重が変化しないということもあります。

体重は結果としてついてくるもの。自分が自信の持てる目標体型は、体脂肪率が教えてくれるのです。

少し難しい計算ですが、健康的で美しい体型を目指すためにトライしてみませんか。